楽しく安全に波乗りを楽しむための基礎知識
海の上には独自のルールとマナーがあります。それは自然を相手にするスポーツだから。
特に初心者の方は知らないことも多く不安があるかもしれません。しかし、基本的なルールはシンプルです。
波乗りに関する基本的な10か条、ビギナーの方はもちろん、上級者の方も今一度ご確認を!
1.サーファーは自分自身に責任を
一つの波に一人しか乗ってはいけないというサーフィンの大原則です。サーフィン中の事故防止のためにずっと守られてきたルールです。だた、ブレイクに対してなので左右にブレイクしていく波では、グーフィとレギュラー側で二人が乗ることができます。
2.ピーク※1優先
サーフィンには「ピーク優先」というゴールデンルールがあります。 これは世界中どこのサーフポイントでも共通のルールで、ピークに最も近いサーファーが波に乗る優先権があるということです。
※1 岸に向かって来たウネリが最初に崩れ始めるところ
3.ドロップインはルール違反
サーファーがすでにライディング※2している波に同じ方向へテイクオフしてしまうことを、悪意があるないに関わらずドロップインと呼びます。これはルール違反だけでなく危険な行為です。もしドロップインしてしまったときはすぐに相手に謝るのがマナーです。
サーファーはレギュラー※3、グーフィー※4の波の崩れる方向に合わせてライディングしてきます。あるサーファーがすでにライディングしている場合、そのサーファーの進路上からテイクオフしてはいけません。
※2 波に乗っている状態
※3 岸から見て左方向に崩れる波
※4 岸から見て右方向に崩れる波
4.サーファーの真後ろでパドルしない
パドル※5して沖に向かうことをゲッティングアウト※6と言いますが、そのときは同じようにゲッティングアウトしているサーファーの真後ろについてはいけません。そのサーファーが波に押し戻されてあなたにぶつかり、ケガをする可能性が高いからです。
※5 手で漕ぐこと
※6 沖へ向かうこと
5.ライディングエリアでは要注意
ゲッティングアウトしているときはライディングしているサーファーと接近することがよくあります。
ライディングエリアはサーフポイントによってさまざまですが、もしライディングエリアをさけてゲッティングアウトできるならそのルートで沖に向かいましょう。
もしそれが無理ならば、よく注意してすみやかにそのエリアを通過し、サーファーの邪魔をしないように沖に出ましょう。
6.テイクオフ優先
ゲッティングアウトしているときにテイクオフするサーファーとニアミスしそうになった場合、そのサーファーの進行方向とは逆方向にパドルするか、早めにダイブ(ドルフィンスルー)し、回避する必要があります。
7.声を出す
ゲッティングアウト中に、ライディングしているサーファーがあなたに気付かずに接近してきたら、"Hey!"など、声を出して注意をうながしましょう。太陽の光などであなたが見えにくいときがあります。
8.いつも予測していよう
小さな波でサーフィンをしようとインサイド※7で波を待つと、他のサーファーのライディングを妨害してしまうことがあります。もし波がブレイクしたらサーファーたちがどの方向に進むか、予測をたてて邪魔にならないように心がけましょう。
またサーファーが乗ってきたら、そのサーファーよりもアウトサイド※8に向かい、そのサーファーの集中をさまたげないようにしましょう。
※7 岸側
※8 沖側
9.プルアウトはお早めに
もしあなたがもう充分にサーフィンができる実力があったら次のお願いがあります。ビギナーはあなたの邪魔をするつもりなんてないのです。ニアミスしそうなときは早めにプルアウト※9して、やさしく指導してあげてください。
※9 ライディングを自分の意志でコントロールしながら終了するテクニック
10.彼女、彼氏がいても両手を振るな
世界のライフセービングには共通のサインがあります。
そのひとつは両手を大きく振ること。これは助けを求めるサインです。オーストラリアでは日本人サーファーが、彼女がビデオを撮っているので両手を振ったらライフセーバーがやってきたという笑えないお話があります。
初心者の方へ
- まだサーフィンを始めたばかりの人は、ひとりでサーフィンを絶対にしないでください。ビギナー同士で、サーフィンをするのは危険です。かならず経験者(できればNSAサーフィン検定3級以上)の人と海に入るのがよいでしょう。また、NSA 公認スクールを受講するのもよいでしょう。
- 海に入りたくないと感じたときは、無理せずしばらく岸で様子をみてください。無理をすると事故が起こりやすいものです。
- 混雑している海は危険です。波に乗るチャンスも少ないので時間をずらしたり、別の空いているサーフポイントへ移動しましょう。
- カレント(離岸流。波が運んだ海水を再び沖へ出すために生ずる潮の流れ)は波が大きいときほど強く危険になります。もしカレントに流されて危険を感じたときは、その流れに逆らわず横切るようにしましょう。また、スープ(波が崩れた後の白い泡の部分)はあなたを岸に運んでくれます。波のないところは、かえって流されやすく危険だと思ってください。
- ショートボード、ロングボード、ボディボードに限らず、リーシュコード(サーファーの軸足とボード、ボディボードではボードと腕、または脚をつなぐ流れ止め)は必ず付けましょう。
- 多くの海水浴場では時期や時間帯によってサーフィン禁止です。