クルマを運転する際には普通自動車免許が必要なように、ミニボート以外のボートを操船するには、ボート免許(小型船舶操縦士免許)が必要です。ボート免許には、航海可能なエリアの違いによって、1級、2級などいくつかの種類がありますが、ビギナーは、航行可能な範囲が陸から5マイル(約9キロ)以内に限定される2級ボート免許を取得するのが一般的です。5マイルというと狭く感じるかもしれませんが、一般的なボーティングを楽しむのには、この免許で十分。より遠くまで行きたくなってきたら、1級にステップアップすることもできます。

ボート免許取得時には、ボート免許教室に通ったのちに国家試験を受験する「受験コース」と、指定教習所で学科、実技の教習と修了試験を受けることで国家試験が免除される「教習所コース」とがあります。2級の場合、免許教室と国家試験を合わせても、最短で2日間で終わるコースもあります。
試験の内容は、海の交通ルールなどに関する学科と、実際の操船技術に関する実技とがありますが、いずれも難易度はさほど高くはありません。中には、クルマの免許よりも簡単、という方もいるくらいです。

そもそもボート免許は、ボートを操船するために最低限必要なことをマスターし、海で楽しむ可能性を広げるためのもの。ボーティングで必要になる実践的な技術は、実際にボートに乗りながら、徐々に向上させていくものなのです。

なお、クルマとオートバイとでは、普通自動車免許と自動二輪免許が分かれているように、ボートとPWC(水上オートバイ)も、小型船舶操縦士免許と特殊小型船舶操縦士免許に分かれているため、両方に乗りたい場合は二つの免許を取得する必要があります。